操業中の様子(AM9:40頃)
炉の内部で木炭があかく燃えています
操業後,炉を解体していきます(PM5:00頃)
玉鋼を確認
いよいよ炉の最下部へ
癒着した耐火煉瓦をはがします
鉄が生成されています
見事,製鉄に成功!
平成26年8月27日(水),附属ものづくり創造工学センターが支援する学生自主プロジェクトの一つ,「KAJIYAプロジェクト」がたたら製鉄に挑戦しました。
学生自主プロジェクトは,秋田大学にふさわしい種々のプロジェクトの実践を通じて,主体的な学びの拡大と地域活性化を目的として平成22年度から実施しています。毎年,書類審査・口頭発表会による審査で採択されるプロジェクトが決定し,今年は17組が採択されました。
「KAJIYAプロジェクト」は鍛冶屋の技術を学び,「自分たちで使える刃物を作る」ことを目的に活動しており,4年目となるプロジェクトです。平成25年度には工学資源学部OBの冒険家 阿部雅龍氏の依頼で極寒地仕様のチタン製ナイフを製作しています。
製鉄を成功させることを目標に,たたら製鉄(木炭を燃焼させ,「還元」により酸化鉄から鉄を得る製錬法)に毎年挑戦しており,今回は木炭18kg, 砂鉄(酸化鉄)6kgを使用しました。 準備は早朝から行われ,耐火煉瓦の炉を組み上げ,7時に火入れ,温度管理をしながら正午頃まで操業しました。炉内の温度は1200℃を超えます。 炉が冷めるのを待ち,17時頃から解体・取り出しを行いました。
炉を解体していくと,玉鋼も確認でき,炉の最下部には持ち上げるのに両手が必要なほどの塊(鉄を含むケラ)ができていて製鉄は見事成功。過去には炉の解体が早すぎて失敗したこともあったそうですが,今回は経験が活かされ,概算で約1kgの鉄を生成。これまでで最良の結果が得られたとのことです。
同プロジェクトは,生活に役立つ道具作りをすることを今年の目標に掲げており,今後は,阿部雅龍氏の依頼による改良型のチタン製ナイフの製作,熱効率の良い鍋の開発なども行っていくそうです。