「データ駆動型サイエンス推進プログラム」

数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)取組概要

理工学部における各専門分野においてデータ駆動型サイエンスの重要性が増しています。
「理工学の専門性 × データサイエンス = イノベーション」といった価値観が大きくなり社会からの要請も増えています。これに応えるために、すでに開講されている「秋田大学地域におけるDX推進プログラム(リテラシーレベル)」をさらに発展させた「データ駆動型サイエンス推進プログラム」を開講します。

本プログラムは、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)」に認定されています(認定の有効期限:令和11年3月31日)。

本学部の認定制度への申請内容

 

「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)」における3つの基本的要素を身につけることができます。

  1.   データ表現とアルゴリズム               
  2.   AI・データサイエンス基礎
  3.   AI・データサイエンス実践

プログラム修了者には認定証が授与されます。

 

プログラム名称

データ駆動型サイエンス推進プログラム  取組概要

 

開始年度

令和5年度

 

本プログラムの目的と目標

本プログラムを履修することで、数理・データサイエンス・A Iを活用して課題を解決するための実践的な能力を育成し、卒業後に大きな付加価値となることを目指します。

  •    データ駆動型社会において、数理・データサイエンス・A Iについて学ぶことの意義を説明できる
  •    プログラミングの基礎を通して、課題解決のためのデータ収集・加工・解析・可視化・評価の一連のプロセスを体験する
  •    A Iの歴史やどのような分野に応用されているのかについての知識を得る
  •    ニューラルネットワークの利用や実装についての理解
  •    目的に応じて適切なデータ分析方法やデータの可視化方法を選択できる
  •    自らの専門分野にデータサイエンスやA I技術を応用することができる

 

修了要件(カリキュラム)

「データサイエンスリテラシー概論」、「基礎情報学」、「基礎A I学」(各1単位)の計3単位を必修科目とし、「確率統計Ⅰ」、「確率統計Ⅱ」、「基礎データサイエンス学Ⅰ」、「基礎データサイエンス学Ⅱ」、「データサイエンスⅠ」、「データサイエンスⅡ」、「情報セキュリティⅠ」、「情報セキュリティⅡ」、「超スマート社会のプラクティス」(各1単位)から4単位以上を選択科目として履修すること。

 

カリキュラムマップ

 

 

授業構成

 

 

本プログラムの授業内容

授業科目名 単位数 授業内容
データサイエンスリテラシー概論 1単位

社会の急激な変化に伴い、数理・データサイエンス・AIの素養が求められるようになってきた。 数理・データサイエンス・AIが社会の中でどのように活用され、新たな価値を生み出しているのか理解し、数理・データサイエンス・AIを適切に利用するために、数理・データサイエンス・AIの発展してきた歴史から最新の技術動向まで社会における例を示しながら取り扱う。

  データサイエンスリテラシー概論  授業紹介(外部サイト)

 基礎情報学 1単位 データ処理の技術を基盤から学び、プログラミングを通じてデータを人や社会にかかわる課題に活用する能力を育成する。

プログラミング実践の体験を積みながら、データの表現と構造、アルゴリズムと制御構造、データ解析と可視化などの基本プロセスについて理解を深め、データに基づいた解決策を考案・実行する能力の基礎を築く。

 基礎情報学 授業紹介(外部サイト)

 基礎A I学 1単位 ニューラルネットワークの基本から始め、手書き数字認識を例として実際にニューラルネットワークの実行・経験をする。

ニューラルネットワークがどのような仕組みで手書き数字を認識するのか、どのようにしてニューラルネットワークが活用・応用されるのか、それら基本的な仕組みをコンピュータ演習と講義を通じて学ぶことを目的とする。

  基礎AI学  授業紹介(外部サイト)

 確率統計 Ⅰ

 確率統計 Ⅱ

各1単位

確率論と統計学に関する基本的な事項(確率、確率変数、期待値、独立性、条件付き確率、推定等の基礎的概念)を扱う。
ベイズの定理を理解し用いること、データの記述の基礎が理解できるようになることを目標とする。

  確率統計 授業紹介(外部サイト)

基礎データサイエンス学Ⅰ

基礎データサイエンス学Ⅱ

各1単位

データサイエンス、特に多変量解析の様々な手法を、実例を交えながら紹介する。実習を通して目的に合わせたデータの可視化や分析を実行する能力を身につけることを目的とする。

  基礎データサイエンス学  授業紹介(外部サイト)

データサイエンスⅠ

データサイエンスⅡ

各1単位

データサイエンスの基礎的事項を概観し、分類の基礎的方法、回帰分析と正則化、検証の基礎的方法、統計的因果推論の基礎的方法を理解することを目標とする。

  データサイエンス 授業紹介(外部サイト)

情報セキュリティⅠ

情報セキュリティⅡ

各1単位

セキュリティを担保する様々な技術や考え方とそれらがどのように連携してセキュリティを担保するか学ぶ。
ビッグデータの活用や機械学習の情報セキュリティへの応用について紹介し、ネットワークやオペレーティングシステム (OS)などのIT 技術およびデータサイエンスや AI について解説する。

  情報セキュリティ  授業紹介(外部サイト)

超スマート社会のプラクティス

1単位 様々な分野の概念や手法を統合して新しい価値を創出する総合的能力を習得するために、超スマート社会を構成する実例(AIの利活用、ビッグデータ、クラウドサービス、環境、ヘルスケア、金融・サービス、防災・エネルギーなど)やセキュリティを理解するとともに、 AIが社会に受けれられるために考慮すべき論点について学ぶ。

 

修了者(R5年度受講)の声

髙澤 優也(数理・電気電子情報学専攻修士1年)さん

Q:スケジュール的に履修はしやすかったですか? オンデマンド形式の授業はどうでしたか?
A:自分の専門の履修内容と一致しているので履修しやいと思いました。オンデマンド形式では何回もいつでも見れるため、自分に合わせて受けることができよかったです。

Q:授業の分かりやすさや理解度はどうでしたか?
A:AIやネットワークの技術が具体的にどのように使われているのかや詳細に仕組みなどを説明されているためわかりやすい授業でした。

Q:面白かった授業内容について
A:データサイエンスです。深層学習やAIが今まで学んできた数学との関連性を知ることができ、とても面白かったです。

Q:卒論・修士の研究に活用できたこと
A:暗号理論をテーマに研究しているため、情報セキュリティの機密性や完全性に関する暗号化や署名の仕組みは自分の研究の理解を深めるものになりました。

Q:後輩の学生へのアドバイス
A:身近で使われているIT技術の基礎的な知識が簡単に学べるので、ぜひ興味があれば履修してください。

 

齊藤 祐吾(数理・電気電子情報学専攻修士1年)さん

Q:スケジュール的に履修はしやすかったですか? オンデマンド形式の授業はどうでしたか?
A:スケジュール的には履修しやすかった。またオンデマンド形式の授業もあったため、自身の所属する専門科目の妨げにならず、内容について復習がしやすくとても有意義だった。

Q:授業の分かりやすさや理解度はどうでしたか?
A:例や図などを用いて丁寧に説明して頂いたので、とても分かりやすく理解しやすかった。

Q:面白かった授業内容について
A:基礎情報学や基礎AI学で、初めてPythonに触り、簡単な計算やグラフの描画などのプログラムのコードを実際に組んだこと。

Q:卒論・修士の研究に活用できたこと
A:あまり研究自体には活用できてはいないが、Pythonでの簡単なプログラミングからそれを応用したものが自身の研究につながるのではないかと思った。

Q:後輩の学生へのアドバイス
A:データサイエンスやAIについてより学ぶことができ、わからない部分があれば、友人と互いに考えたり先生方に質問して理解を深めて、より自分の知識の向上につながると思います。

 

八木 陸斗(先進ヘルスケア工学院修士1年)さん

Q:スケジュール的に履修はしやすかったですか? オンデマンド形式の授業はどうでしたか?
A:各学年に均等に受講することが出来ました。またオンデマンド形式だったので、時間帯を変えて受講出来たり、何度も受講出来たりしたので、受講しやすかったです。

Q:授業の分かりやすさや理解度はどうでしたか?
A:データサイエンスはただ学ぶのでは、理解をすることが難しい分野だと思います。しかし実際に操作したり、具体例を挙げていただいたりと分かりやすい講義が多く、理解が深まりました。

Q:面白かった授業内容について
A:「超スマート社会のプラクティス」という講義が最も面白いと感じました。この講義で日本や海外での動向、今何を必要とされているのかを深く学ぶことが出来ました。「データサイエンスとは何か」が分からなくても、様々な講義を通じて興味を持てるものだと思います。

Q:卒論・修士の研究に活用できたこと
A:私は卒論・修士の研究において、 Pythonを利用しています。Pythonを初めて触れたのは「基礎情報学」という講義だったのですが、 Pythonを学習していたため卒論研究に使うことが出来ました。今後、機械学習を導入することを検討しています。

Q:後輩の学生へのアドバイス
A:「データサイエンスとは何か?」に答えることは難しく、自分と関係があるのかと思うと思います。私が皆さんに関わるのは、卒論や修士の研究だと思います。統計学を用いて、複数回実験を行った際に、同様の結果が得られる確率」や「誤差、信頼度」を考えるのは重要です。これは一例にすぎず、様々な分野に活用されています。ぜひ興味がある方は受講してみてください。社会や研究でどう役立つのかを学ぶ良い機会だと思います。社会に対する視野が広がるはずです。

 受講者の声 八木 陸斗さん(外部サイト)

 

データ駆動型サイエンス推進プログラム(応用基礎)自己点検・評価報告書

自己点検・評価(2023)