電気電子工学科   【今野研究室】

イルカとコウモリそして人間は同じほ乳類です。イルカは海中に、人間は陸上に住み、そしてコウモリは空中を飛び回ります。さて、では人間とは違い、イルカとコウモリに共通する点といったらなんでしょう?

それは、人間の耳には聞こえない音(超音波)によって自分の位置や自分の進む先に何があるかを知るという機能を持っているということです。左の図にあるようにコウモリの場合、口や鼻から超音波を出してそれが物に当たってはねかえってくるまでの時間から先に何があるのかを判断しながら飛び回ります。イルカはそれを海の中で行います。ただし、イルカの場合はそのイルカに特有の音を出すことによって他のイルカと会話(コミュニケーション)をするという別の機能も持っています。

さて、コウモリは超音波を出しながら飛び、餌となる昆虫を発見しこれを捕まえます。このときの音の出し方は非常に巧妙であり、私たちが自動歩行ロボットなど障害物にぶつからないように走る機械を作るときの参考になります。直線的に飛んでいるときは一定の高さの音(といっても聞こえませんが)を周期的に出して飛んでいますが、なにかがあることがわかるとその周期を変えながら音の高さも低い音から高い音までを出しながら注意深く飛びます。音を使っての物の探知の範囲は数十cmから十数mまで変化すると言われています。蛾(ガ)などはコウモリの出した音をはね返さないように体に鱗粉(りんぷん)という粉を持っていてこれで音を吸収しています。

最後に。コウモリは鳥獣保護法という法律によって、捕まえたり、飼ったりはできないので注意しましょう。