機械工学科   【システム設計研究室】

 皆さんが日常使っている電気は大部分、火力発電所で石油や石炭を燃やして蒸気を作り、蒸気タービンという機械で発電機をまわして発電しています。石油や石炭は発電をするだけでなく、いろいろな産業および自動車やストーブの燃料として使われ大変便利です。あまり便利なので石油や石炭をどんどん使ったので、燃やしたときに発生する炭酸ガスなどが地球上にたまってしまいました。炭酸ガスは保温効果があり、熱が宇宙に逃げにくくなり、地球の温度が上昇し続けています。最近気候が変化して大規模なエルニーニョ(海面の温度が異常に上がる現象)やハリケーンがたびたびおこるようになったのもそのせいだといわれています。そこで世界の国々が集まって、みんなで協力して石油や石炭の使用量を減らそうと相談しました。そのとき日本は炭酸ガスを出す量を2008~2012年までに1990年の量より6%減らしますと約束しました。この約束を守るには石油や石炭の使用を減らし、新しいエネルギーを開発しなければなりません。太陽や風力のような自然のエネルギーの利用する研究や開発が活発に進められているのはこのような理由によります。
   世界で風力発電が進んでいるのは、ドイツ、デンマーク、スペインなどヨーロッパの国々、アメリカ、インド、中国です。日本はこれらの国に比べると少ないのですが、最近北海道をはじめとして、いくつかの県に大きな風車が次々と建ちはじめました。大きなものは羽根の直径が60メートル以上あり、1機で1000キロワットの発電能力があり、皆さんの家庭100軒分以上の電力を発電できます。秋田大学でも写真のような風車を自分達で製作して風力 エネルギーを有効に利用するための研究をしています。