材料工学科・材料物性学講座

電気製品に使われている、赤や緑の小さな電源表示ランプのほとんどが発光ダイオードです。発光ダイオードとは、比較的自由に動く電子を内在するn型半導体と、電子の空席があるp型半導体を接合させたものです。(半導体とは電気をわずかに通 す物質のことです)。写真1はガリウムりん(GaP)ダイオードの外観です。この素子の場合、まずGaPに電子の多いテルル(Te)を少量 混ぜてn型半導体を作製します。つぎに、電子の少ない亜鉛(Zn)を少量 含むp型GaPを、n型半導体の上に成長させます。このようにして作った素子の両端に数ボルトの電圧をかけると、n型半導体の電子エネルギーをもらってp型半導体の方に移動し、エネルギーの低い空席を埋めます。その際、電子はエネルギーを使い切ってないので、余分なエネルギーを赤い光として放出します。すなわち、電気エネルギーが熱ではなく、直接光に変わるところがなんとも不思議ですが、みなさんはどう思いますか。写 真2は、発光しているダイオードの断面です。n型とp型半導体の境界付近が最も明るいことに注目して下さい。

写真1/ガリウムりん(GaP)ダイオードの外観

写真2/ダイオードの断面

写真1/ガリウムりん(GaP)ダイオードの外観

写真2/ダイオードの断面