材料工学科  【化学知能材料学研究室】

光はなぜ電気に変わる?

太陽の持つエネルギーをパネルに受け、電気に変えてしまうのが光電池です。時計やソーラーカーの他、人工衛星の発電に利用されています。

図1は、光電池を切断して断面を見たもので す。光電池はシリコンという物質のp型層(電子の抜けた穴(正孔))が電気を運ぶ)とn型層(電子が電気を運ぶ)を重ねた構造になっています。

それでは、このような光電池では光はなぜ電気に変わるのでしょうか。図2にその理由を示しています。p型層とn型層の境界部に光が入ると、光のエネルギーで電子と電子の抜けた穴(正孔)が発生します(I)。p型層とn型層の境界部では電気エネルギーの坂があり、電子はn型層へ移動し,電子の抜けた穴(正孔)はp型層へ移動 します(II)。その結果、n型層には電子がたまり 負に帯電し、p型層には電子の抜けた穴(正孔)が たまり正に帯電します(III)。結局、n型層が負極(マイナス極)、p型層が正極(プラス極)の電池になります。このように光電池は、光を受けている間は電池になります。しかし、夜は電池にならないため、蓄電池と組み合わせて使用するものもあります。