理工学研究科長・理工学部長  寺境 光俊 

 

私たちの社会は今、化石燃料依存や大量生産・大量消費時代からの脱却が求められており、世界的には2015 年に国連で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」のもと、様々な技術革新が日々進んでおります。

日本国内においても、2050 年までに温室効果ガスの排出を社会全体としてゼロにする「2050 年カーボンニュートラル宣言」が発表されており、脱炭素社会を目指すことが目標として掲げられております。これらの目標を達成するためには、既存の専門的なアプローチだけでは難しく、深い専門性と他分野への幅広い視野を備えた上で新たな技術体系を確立していくことが求められます。さらに,最近のデジタル技術の進歩は著しく,様々な専門分野にデジタル技術を活用することで新しいブレイクスルーを見出すことのできる人材が求められています。

理工学研究科では、各分野の確固たる基礎の上に立ち、複数の分野を融合し新たな価値を生み出すエンジニアリングデザイン能力を持った人材を養成する教育研究プログラムを展開しています。

博士前期課程では、生命科学専攻、物質科学専攻、数理・電気電子情報学専攻、システムデザイン工学専攻を設けており、秋田県立大学との共同大学院である共同サステナブル工学専攻も設けております。さらには、医学系研究科と共同設置した先進ヘルスケア工学院も令和 4年 4月からスタートしており、既存の学問体系にとらわれない分野横断的な専門知識や技術を習得できます。

博士後期課程では、社会や企業が求めるイノベーション創出のための深い専門性と幅広い視野、理工学分野を横断した俯瞰力・総合力を併せ持ち、専門家として,さらには指導者として活躍できる人材を育成するために、分野融合型の総合理工学専攻を設置しています。

インターネットの普及と共に都市部と地方の情報格差がなくなってきました。自然豊かな秋田で学び,世界に羽ばたいていく学生を育てたいと願っています。