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秋田大学

タイトル


理工学研究科の概要・目的

研究科の組織

 理工学研究科は,理工学部を基礎とする区分制の博士課程である。この課程を前期2年及び後期3年に区分し,前期2年の課程を修士課程として取り扱う。
 博士前期課程(修士課程)では,理工学部の4学科(9コース)を基礎に,4専攻(9コース)と,秋田県立大学と共同大学院である共同ライフサイクルデザイン工学専攻を設け,博士後期課程では,組織を区分して1専攻(4領域)を設けている。

 

[博士前期課程]

 (生命科学コース)

 (応用化学コース,材料理工学コース)

 (数理科学コース,電気電子工学コース,人間情報工学コース)

 (機械工学コース,創造生産工学コース,土木環境工学コース)

[博士後期課程]

 (生命科学領域,物質科学領域,数理・電気電子情報学領域,システムデザイン工学領域)

 

研究科の目的

 理工学研究科は,高度な専門知識・技術を原理的なところから体系的に修得し,柔軟性・国際的視野・確かな倫理観を持って,地方創生さらには我が国の持続的発展に寄与貢献できる人材の育成を目的とする。

 

博士前期課程 各専攻の目標

生命科学専攻

 生命科学分野における研究成果は,数多くの新しい科学技術の発展のための転機となっており,生命科学は人類社会の明日を切り拓く学問であるといえる。こうした現状を踏まえ,本専攻では,生命現象の巧妙な仕組みを解明する研究者を養成するほか,将来,生命科学の高度な知識,思考力,研究能力を生かせる職業に携わり,中核的・指導的な役割を担う人材,さらには「理学」に立脚しながら「医学」,「薬学」,「工学」,「農学」等との境界領域や学問的分野での研究・開発を牽引し,医療,医薬品,食料生産,生物エネルギー資源開発等,生命科学関連のあらゆる分野で活躍できる人材の養成を目指す。

 

1)生命科学コース
 構造生物学,タンパク質化学,分析化学,超分子化学,有機化学,電気化学,計算化学等に立脚する「生命分子化学分野」と生化学,分子生物学,細胞生物学,疾患生物学等に立脚する「分子細胞生物学分野」から構成され,両分野の基礎知識を体系的に身につけさせる一方,高度な専門性を有する研究開発を自ら遂行できる技術者・研究者を養成する。

 

物質科学専攻

 今日,エネルギー問題や環境破壊,資源枯渇などが地球的規模で深刻化する中,グリーンイノベーションならびに高効率インフラシステムの推進に向けた技術開発への需要が高まり,応用化学や材料理工学を基盤とした物質科学が果たす役割はかつてないほど重要性を増している。こうした社会の要請に応えるためには,物理学,化学,数学を横断した基礎科学の知識を結集して,物質がもつ潜在能力を極限まで追求しながら,新物質・新機能の創出実現を目指していかなくてはならない。本専攻では,現代社会が直面する物質科学に関連する諸課題に対処でき,高い倫理性を兼ね備えた技術者・研究者・指導者を養成する。専攻内には応用化学コースと材料理工学コースを設置し,互いに密に連携して大学院の教育・研究にあたる。

 

1)応用化学コース
 化学に関連した知識を基盤とし,原子・分子レベルからの物質設計と合成を独創的なものづくりに結びつけるために必要な教育課程を置く。新機能物質の開発や循環再生における化学エネルギーの有効利用,生物機能の高度利用など,環境に調和した素材づくりと先端技術の開発研究に機動力を発揮できる人材を養成する。

2)材料理工学コース
 材料科学および材料工学を基礎として,金属,半導体,セラミックスを中心とした新材料・新機能の創出を実践するために必要な教育課程を置く。これを通じて材料物性の発現機構をナノスケールからマクロスケールに及ぶ組織・構造解析ならびにシミュレーションに基づいて究明し,人間社会と調和した次世代機能材料の生産・製造技術の創出に貢献できる人材を養成する。

 

数理・電気電子情報学専攻

 基盤産業の発展,エネルギー問題解決,ヒトとコンピュータの調和に貢献し,技術開発の変革を担うことができる人材,並びに数学,理論物理学,計算機科学に関する高度な専門知識と技能,知見を備え,数理科学分野の高度な知識を有する教員や研究者の人材を育成する。
 また,高齢化先進県である秋田が抱える地域の課題を解決するための技術を開発し,これを世界に発信できる人材を育成する。さらに,チームワークの大切さを認識すると共にリーダーシップを発揮し,想定外の問題にも対応できる能力を修得させる。すなわち,専門分化した数理科学・電気電子工学・情報工学の膨大な知識全体を俯瞰しながら,超高齢社会に新たな技術や価値を創造できる人材を育成する。

 

1)数理科学コース
 高度な数学的概念や構造の理解と理論的計算機科学への応用,物理現象を含む様々な現象の数理構造の解明や探索に関する教育・研究を行う。カリキュラムの系統性の重視やQualifying Examinationなどを主な特色とし,現代数学とその周辺領域の学習を通じて,論理的な思考力と数理科学的な視点による問題解決能力を身につける。

2)電気電子工学コース
 電気エネルギー・機器,エレクトロニクス,光・電子デバイス,情報通信・システム制御などの広い専門分野の知識を体系的に理解するとともに,ある一つの分野を中心とする,あるいはそれらの分野を統合した新たな応用や技術の創造のための研究に取り組む。その経験を通して創造的な発想と柔軟な応用能力を身につけた人材を育成する。

3)人間情報工学コース
 人間情報工学コースでは,①ICTを利活用した地域社会における高齢者の健康寿命の延伸や在宅医療支援,②環境モニタリング,防災・減災,ヒューマンセンシング技術の高度化とその応用システム,③情報ネットワークやICTなどによる安全・安心社会の実現のため,情報工学を専門として,創造的な発想と柔軟な応用能力を備えた人材を育成する。

 

システムデザイン工学専攻

 科学技術の急速な発展と共に,二酸化炭素排出による地球温暖化や再生可能エネルギーの開発など様々な社会問題に直面しており,その一方で各種機器の高機能化に伴う技術向上など,機械工学の果たすべき役割は益々重要となってきている。また,近年国内でもロケットや人工衛星などの航空宇宙分野や廃棄物のリサイクル技術が急速に発展しており,新規産業を創出・発展させる創造生産工学が必要とされている。さらに,高齢化社会の進展に伴い,医療福祉分野のみならず,環境に調和した土木技術の創出と都市・地域システムの機能向上化のためのまちづくりとその保全は急務である。
 システムデザイン工学専攻では,これらの複雑かつ大規模なシステムの設計開発に関する教育・研究を通じて,機械工学,創造生産工学,土木環境工学の各専門分野の基礎知識を備えつつ,システムデザインとしての横断的な知識を持ち,地域ニーズを正しく把握し,地域社会のみならず世界へも貢献できる研究開発者や技術者の養成を目標とする。この目標を達成するため,以下の3つの領域が連携した教育と研究を行う。

 

1)機械工学コース
 機械工学は,材料力学,熱力学,流体力学,機械力学の四力学に制御工学を加えた五つの分野が基礎となっている。機械工学領域では,学部で学ぶ専門知識を深化させて応用できる力を身につけ,問題発見・解決力やコミュニケーション能力を有し,グローバルな視点で人間と環境と機械が調和する持続的社会形成に貢献するための教育と研究を行う。

2)創造生産工学コース
 機械工学を中心に,宇宙工学,制御工学,熱流体工学等の高度な専門知識を修得すると共に,プロジェクト遂行能力(プロジェクトマネジメント能力,問題発見・解決能力,コミュニケーション能力,工学デザイン能力等)を有し,創造的なものづくりやプロジェクト遂行において主導的役割を果たし,広く社会に貢献できる人材育成に資する教育と研究を行う。

3)土木環境工学コース
 構造工学,水工学,地盤工学,都市・交通工学,およびコンクリート工学などの高度化した専門知識を修得し,それらを基本とした技術の応用力と課題解決のための個々の知識と能力の向上,さらに協働して課題解決にあたるためのコミュニケーション能力を養い,安全・安心・便利な社会基盤の形成に貢献するための教育と研究を行う。

 

共同ライフサイクルデザイン工学専攻    WEBSITE

 高度に発展を続ける現在の産業社会においては,従来の枠組みでは対応しきれない課題も多く見出されるようになってきた。特に最近では,環境負荷の低減,循環型社会の形成などといった問題が日増しに強くなってきている。本専攻は,このような社会的ニーズを考慮し,秋田大学大学院理工学研究科と秋田県立大学大学院システム科学技術学研究科の共同大学院として設置されたものである。
 本専攻の名称となっているライフサイクルデザイン工学は,工学の一分野であり,環境負荷を低減するために,資源の採掘,製品の企画・設計,製造などから廃棄・リサイクルにいたるまでのすべてのサイクルを考慮するという点に特色があり,材料工学,情報工学,機械工学,電気電子工学,土木建築工学,経営工学などの工学のさまざまな分野と密接に関係している。
 本専攻は,広い視野と高い倫理観を持ち,国際的な視野から循環型社会の形成に貢献できる人材の育成,及び環境に配慮しつつ地域社会の活性化に貢献できる人材の育成を目的としている。この目的のために,本専攻を構成する二つの講座は密接な連携の下,ライフサイクルデザイン工学に関する高度な教育・研究を行っている。

 

博士後期課程 各専攻・領域の目標

総合理工学専攻

 総合理工学専攻は,生命科学,物質科学,数理・電気電子情報工学及びシステムデザイン工学といった専門分野に対する高度な知識をベースとして,他の専門分野においても幅広い知識を有し,社会的ニーズを的確にとらえ,リーダーとして社会に貢献できる高度技術者あるいは,自立した高度な研究者・教育指導者を養成する専攻であり,「生命科学領域」,「物質科学領域」,「数理・電気電子情報学領域」,「システムデザイン工学領域」の4領域で構成する。

 

生命科学領域

 ヒトゲノム配列の解明やiPS細胞の発見等,生命科学分野における研究成果は,数多くの新しい科学技術の発展のための転機となっており,生命科学は人類社会の明日を切り拓く学問であるといえる。従来,生命の神秘と言われていた重要課題の解決のために,基礎化学の諸分野のうち,生命科学分野が果たす役割は,益々増大している。
 また,学問・科学技術の発展に伴い,生命科学と他の学問分野間の関係は益々密接なものとなり,新しい融合・連携研究分野が次々と創出されている。こうした社会の状況とニーズに応えるため,生命科学領域では,我が国全体や地域の特性に対する理解と国際的な視野をもち,社会的義務と技術者・研究者としての倫理規範を遵守しながら,深化した生命科学関連分野の専門知識と専門能力をベースとした研究開発を進めるとともに,自らの専門の枠を超え,他の研究分野との融合や新たな研究分野の開拓を推進できる人材を養成する。

物質科学領域

 20世紀における科学技術の劇的な進歩を通じて,人間社会は未曽有の変化と発展を遂げた一方で,同世紀末から環境破壊が地球的規模で深刻化するようになった。そして21世紀に入った今日,豊かな現代生活と環境保全を両立させる先端科学技術や環境低負荷技術がかつてないほど重要視されるようになった。
 こうした社会の要請に応えるためには,原子・分子・電子レベルの視点から物質・材料の性質を理解し,その潜在能力を極限まで引き出しながら,新物質・新機能の創出実現を図る物質科学分野を切り拓かなければならない。
 そのためには,従来型の理学,工学,物理学,化学にとどまらず,既成の学問領域の枠を超えた,広く豊かな物質科学の専門性を備えた人材育成に注力する必要がある。また,90年代以降のナノサイエンス・ナノテクノロジーの台頭により,従来の学問分野を連携した新しい理工学基盤に立脚し,境界領域を含む広い分野・領域を俯瞰的に把握することができる物質科学者が国際的に求められている。「物質科学領域」では,こうした人材養成像に対応するため,自然の仕組みと物質の性質についての総合的な理解と認識の上に立って,その知識を社会にわかり易く伝え,人間社会の持続的な発展のために応用展開できる能力と高い倫理性を兼ね備えた人材の養成を目指す。

1)応用化学分野:物質を原子・分子のレベル設計・解析するなど,「化学」を基盤として物質の性質・機能の発生機構を把握し,環境の保全と安全性を強く認識した物質の創製・利用技術の開拓や持続可能な化学プロセスの構築を目指す先駆的な教育研究を推進する。また,学術的プロジェクトを通して,地球環境と科学・技術との調和を求める視野の広い人材を育成するための教育と研究を行う。
2)材料理工学分野:新しい機能を具備した新材料の開発及びすでに開発されている材料の高性能化及び効率的な製造プロセスの開発のため,種々の物質への物理的・化学的・機械的性質の付与・制御及び機能性評価に関する教育及び研究を行う。さらに,必要な機能を有する材料の合理的な開発製造の方法ならびにプロセス設計に関する教育と研究を行う。

数理・電気電子情報学領域

 超高齢化社会を迎えた現在,新たな技術や価値の創造,ICTの利活用により地方が抱える課題を解決する必要がある。
 本領域では,数物系の基礎科学分野から電気電子工学・情報工学分野の先端技術分野を包含する教育・研究体制を構築し学際的かつ高度な専門技術を修得した人材の育成を目的としている。

1)数理科学分野:数学,理論物理学,計算機科学などの数理科学の諸分野を学んだ者に特有の資質として,抽象的な思考力や,数学的または物理学的な直観力があげられるが,日々伝達される情報量が急増し,かつその内容の複雑化が急速に進む現代社会にあっては,これらの資質は今後様々な分野において需要が高まることが予想される。数理科学分野では,博士前期課程数理科学コースの学習内容もしくはそれと同程度の学習内容の修得を前提に,理工系諸分野の基礎学理構築に不可欠な数学的構造や物理模型の構成法およびシミュレーション・計算技術についてさらに高度な内容を学び,数理科学的視点を様々な分野に適応できる問題解決能力を身に付けるための教育と研究を行う。

2)電気電子工学分野:現在の情報社会はインフラとしての電気エネルギー,液晶やLSIなどの光・電子デバイスを組み込んだエレクトロニクス製品,光ファイバや携帯電話などの情報通信ネットワーク,各種の大規模システムやロボットに必要な制御システムなどによって支えられている。電気電子工学分野に関連するこれらの専門領域における先端的な技術の本質を深いレベルで吸収するとともに,エネルギー問題や環境問題に代表される世界的な課題の解決,あるいは高齢化問題や地方創成に代表される地域への貢献を担う人材育成のための教育と研究を行う。

3)人間情報工学分野:ICTを用いた「ヒトとコンピュータの協調」を実現するためには,①人間の情報処理機構への深い理解とそれを利活用した技術,②目的とする情報の取得を可能にする高度なセンシング技術,③情報を適切に伝えることで安全・安心なネットワークを実現する技術とその応用システムの開発が必要である。人間情報工学分野では,生体の脳機能を含めた知覚・運動機能を調べるための心理物理学的手法と検査・支援システムの構築のために感覚情報工学特論,リモートセンシングデータの解析,アルゴリズムの開発及び画像認識・応用のためにリモートセンシング工学特論,情報通信ネットワークにおけるルーティング経路決定法,ネットワーク設計及び最適化手法の開発のために情報通信ネットワーク学特論等の教育と研究を行う。

システムデザイン工学領域

 我が国の高度成長を支えた経済発展を短期間で実現させた要因は“ものづくり”や“生産基盤構築”に対して卓越した能力をもつ国民性によるところが大きいと思われる。しかし,今後さらに進行する少子高齢化社会と情報技術革命への対応,地球規模でのエネルギーの確保,地球・地域環境を守る循環型社会基盤の構築など今後の社会の持続可能な発展を図るために短期,長期的な対応が急務となっている。
 本領域はこれらに対処するための“持続的社会形成のためのものづくり”,“新規産業創出”,“生活基盤整備”を目指して,機械工学,宇宙工学,電気電子工学,土木環境工学などの諸分野の融合と調和を図る研究領域であり,地球環境に配慮し持続可能かつ創造的に発展する社会を構築することを念頭におきつつ,地域の抱える課題解決に貢献し,地域から世界へも貢献できることを目指している。この目標を達成するため本領域では,マイクロ・ナノ領域の技術,高齢化社会に対応した医理工連携技術,高効率の熱流体技術などを含む持続可能なものづくりに着目する“機械工学分野”,航空宇宙工学などの比較的新しい技術分野における新規産業創出とそれを支える高度加工技術や制御技術に焦点を当てる“創造生産工学分野”,少子高齢化社会を迎える都市や地域において,減災・防災は当然であるが環境保全にも配慮し,誰もが生活・生産活動が可能な社会基盤の構築・維持を目指した“土木環境工学分野”の3分野をおいている。

1)機械工学分野:人間と環境と機械が調和する持続的社会を形成するため,より便利で豊かな“人間”生活を支え,また少子高齢化社会における医療福祉技術の向上に貢献するヒューマンメカトロニクス,持続的な“環境”保全と安定した再生可能エネルギーを確保するための熱流体科学,“機械”の高機能・小型化に貢献するためのナノメカニクスの3領域における教育と研究を行う。
2)創造生産工学分野:航空宇宙分野を中心とした比較的新しい工学分野の開拓とそれによる新規産業の創出に積極的に取り組むため,生体−機械系の力学的解析,流れの不安定性に伴う伝熱促進機構,人と環境を考慮した新しい機械材料開発,環境を考慮した製品サービスシステム,機械材料の表面改質,など創造的なものづくりを可能とする教育・研究を行う。
3)土木環境工学分野:環境に調和し災害に強く,すべてのひとが安全で安心に暮らせる社会基盤を構築し,かつ維持するために,構造工学,地盤工学,水工学,都市・交通工学,コンクリート工学を中心とし,かつこれらを融合させた高度な研究・技術開発を行うための教育と研究を行う。